会 長 挨 拶

日本東洋医学会関東甲信越支部栃木県部会・会長
宇都宮市医師会・副会長
金子達(金子耳鼻咽喉科クリニック・院長)

この度、第76回日本東洋医学会関東甲信越支部総会ならびに学術集会を、来る2019年11月17日 (日) に栃木県の宇都宮市文化会館で開催させていただくことになりました。本県が担当するのは平成11年に前々会長の北島敏光が第56回総会を、平成21年に前会長の粕田晴之が第66回総会を主催して以来、10年振りのことです。

日本は2007年に「超高齢社会」を迎え、その後ますます加速して高齢化が進んでいます。それに伴い高齢者医療や介護の費用がかさみ、社会保障の財源を圧迫して破綻が懸念される「2025年問題」が間近に迫っています。世界有数の少子高齢化社会を日本が生き抜くためには、東洋医学・漢方医学は必須であると考えます。そこで今回のテーマは「高齢化社会を漢方で元気に生き抜こう」としました。フレイル・サルコペニア、認知症、在宅医療をテーマに、メイン会場でエキスパートの先生方に講演していただきます。

一般演題はポスター発表のみとして、その場で質疑応答をしていく形式を取ります。一般演題募集に際しましては、関東甲信越支部の皆様のご支援で多数の演題を頂き誠にありがとうございました。感謝申し上げるとともに、活発なご討議をいただけるようお願い申し上げます。 ポスター
また、栃木県に関わりが深い生薬や漢方製薬会社の展示コーナーや「傷寒論」の講釈本の版木、日本漢方に多大な影響を与えた「ターヘル・アナトミア」、その翻訳本「解体新書」(復刻版)の展示なども行い、漢方の歴史、過去から現在に亘る漢方医学の変遷、栃木県の貢献についてご紹介いたします。日光、那須、苺、餃子だけではない、栃木県の意外な側面を見ていただければと思います。

今回は栃木県部会幹事総動員で鋭意準備を進めています。不慣れな点や不備もあるかと思いますが、ご容赦いただければ幸いです。会員の皆さまのご支援、ご協力をお願い申し上げますとともに、沢山のご参加をお待ち申し上げております。

2019年盛夏

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会 長 挨 拶

日本東洋医学会関東甲信越支部栃木県部会・会長
宇都宮市医師会・副会長
金子達(金子耳鼻咽喉科クリニック・院長)

日本の東洋医学が置かれている立場はここ数年、中国の国際化 (中国医学の国際標準化) に対していかに独自性を維持することが出来るかが試されているように感じます。しかしながら人数、資金力とも中国は圧倒的であるために、まったく油断できない状態でもあります。生薬も安定供給、安全な生薬を目指す場合、やはり国内生産は必須であると考えます。少なくとも海外生産する場合においても、日本人が中心となって事業を推し進める必要があります。

本年度から始まった専門医制度もあまりうまく行ってるとは言えないでしょう。とくに日本東洋医学会に対する専門医制度委員会の対応に変化がみられ、今後の方針が判然としにくくなりました。このままでは新たに専門医になる医師、専門医を継続する医師が減るのではないかと心配しています。また、その医師たちを教育すべき指導医の確保も問題で、今後の条件によってはさらに厳しくなる可能性も高いでしょう。真剣に専門医制度委員会の対応と現状とを鑑みて検討されるべき事案です。

わが国の医学会における東洋医学の立ち位置も、決して明るいとは言えません。政府はいかにして漢方薬を保険給付対象から外すかを真剣に考えているようです。また、医師の間でも漢方医学に対する理解が改善してきているとは言い難い状況です。私たちは医療関係者と患者さんに、より東洋医学の理解を深めるべく説明と努力をしていかなければならないと考えます。

今年(2018年)9月に、山梨県甲府で第75回関東甲信越支部総会が開催されます。来年(2019年)は当県部会が担当で、「高齢者の漢方」を主なテーマとして開催する予定です。日時は2019年11月17日(日)、場所は宇都宮市文化会館小ホール、第1〜5会議室です。

皆さまのご協力が是非とも必要です。よろしくご協力お願いいたします。

2018年8月spacer

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